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-特別編-就職27年目にして退職したボクの決意とは(その2)

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(前回その1よりつづく)

さて前回のつづきとなるのだが、皆様は「そんなこと覚えていない!」というお叱りも受けそうであるので、場面説明をおさらいしておくことにしよう。

 

ーボクが今年1月からの右足の人工関節置換の手術を受けた入院による休職を経て、復帰したその日に3月中旬、職場へ復帰したその日に過呼吸などによるパニック症状を起こしてしまい、その晩にいてもたってもいられなくなったボクは、熟睡するボクのヨメに泣きつく始末。

愛想をつかしながらもボクのただならぬ異変に心配を抱え、ヨメにひきつられ職場へ一緒に付き添い。ボクの直属上司に面談を申し込んだのだったー。

 

ざっとこんなところだろうか(笑)。

話を先へ進めよう。

職場の面談室というか、3人も入るといっぱいになりそうな小さな部屋に入り、まともに上司に目線も合わせられなくなり、首もうなだれているボクに代わってヨメは昨日のことも含め、今後の対応について相談を始めた。

 

実は、直属上司とボクのヨメとはこの日が初対面ではない。ざっと遡れば遙か20年前のボクたちの結婚式での職場の2次会を開催してくれた幹事役の一人だったわけであるので、その時以来だというと長い間ということもあるが、ボクの知らない間に、ボクのこの居眠り問題などの相談をしだしたのは、昨年になってからだ。

 

ボクは昨年1月にも、仕事中に極度の鼠径ヘルニア(ご存知だろうか?ボクくらいの中年男性に頻発する、いわゆる鼠蹊部をよばれる脇腹下あたりに他ある直腸がそれを覆う鼠蹊部の膜を圧迫、それが破れて腸が飛び出てしまう病気だ)による極度の腹痛に襲われ、施設に居合わせた看護師の方のヘルプで提携病院へ救急搬送されたことがあった。それはもう叫ばずにいられないほどの激痛で、多少のことは我慢強いと自画自賛していたボクでさえ、我慢できず脂汗が垂れるなか、飛び出た直腸をひっこめるべく腹腔内鏡カメラと開腹による緊急手術を実施。もう少し手当が遅れたら手遅れだったと主治医に言われた。要は鼠径ヘルニアの中でも最悪の陥頓(かんとん)という、患部が浮腫みきって、飛び出た腸が戻らなくなっていたそうで、放置すると腸も腐っていっていたらしいとのこと。そんなこんなでまた、なんとか一命をとりとめた。結構以前から直腸の脱調具合に違和感を感じながらも、自分でそれをひっこめて我慢して無理して業務を続けた結果だった。その際に、心配したボクのヨメが直属上司に病院対応に訪れたことを機に、普段のボクの勤務態度であったり、睡眠障害的症状も出ていたことなど何かと相談していたようだ。

 

そういう間柄もあり、ヨメが直属上司に相談するのはあまり堅苦しいものでもなかった。しかし、そんなことよりこのときのボクはそんな余裕もなく、ただ上司の体調を心配してくれる呼びかけに「はい・・・」と声になるかならないかの返答をするだけで精一杯だった。

 

一方ボクのヨメは直属上司と話を進めていき、いわゆる職場でのボクとスタッフとの信頼関係の崩壊、はたまた普通仕事上では考えられない行動(業務中に菓子類をほうばる、ごみを落としまくる・・・などボクが罪悪感なく行っていること)といったモラル観の欠如・・などの話を聞いた上で、ボクのヨメは、ボクの現職である「ケアマネージャー」の適正について話し始めた。

 

ボクの直属上司は、この職務に限ったことではないが一般的に必要と言われている「マルチタスク」「時間管理」「デスクの書類整理」「電話対応の仕方」ーそしてもちろん「業務中、会議中のありえない居眠り、寝落ちのことー。そんなボ手クが耳を塞ぎたくなるほど恥ずかしい内容の会話の果てに、ヨメはこのように話を切り出した。

 

「主人(ボク)はケアマネという職には向いていないんだと思う。このようなことを繰り返すばかりではこちら(職場)にも迷惑をかけるのを今後も繰り返すだけならば、この障害のある身体と精神的に発達障害の疑いのあることを配慮してもらう障害者枠での復職では無理だろうか?」

 

直属上司はその言葉に、しばし「うーん、そうですね・・・」と考えあぐねていた。その様子を見て、ボクはいたたまれなくなり、情けない、哀しい気持ちがこみ上げ、思わず涙声で「ボクは今朝Aさん(直属上司の仮名)に面談希望の電話をした際、本当に『もうボクは今日限りで辞職します!』といいそうになった。実際今でもそう思っています。もうこれ以上皆さんにご迷惑かけられないから・・・」と言ったきり、涙が止まらなくなった。

 

普段、感動してもあまり涙の出ないボクが涙を止められず号泣したのである。自分でも驚きだった。思わず上司が差し出してくれたティッシュでボクは涙をふきながら、上司からの有難い言葉を聞いた。それはー

 

「Oさん(どりしげ仮名)辞めないでください!Oさんに辞められたら困ります!」という言葉だった。

 

ボクは嬉しかった。それがたとえその上司がボクを落ち込ませまい、ヨメの手前上の配慮があっての言葉であったとしても、単純にボクはその言葉が有難い、救われる言葉としてボクの心の中で響いた。

 

結局、ボクはしばらく仕事は無理に出勤はせず、できるだけの時間で、周りに支障のない範囲の業務を考えてやってもらおうということになった。ただこれないときはそれはそれで連絡もらえればいいという配慮をいただいた。ボクは上司からの「それだったら仕事にこれそうですか?」という問いかけに、即答で「はい」とも言えず、なんとかというようなうなずきしかできなかった。

 

そんなボクの様子を見たヨメは「もっと自信持って、そんな時は嘘でも『はい!』っていわないと!」とハッパをかけられた。その塩対応もこの時のボクには変なプレッシャーしかかからなかったのだー(その3へつづく)。